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【FPVドローン撮影の教科書】企業担当者が発注前に整理すべき5つの要件

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【FPVドローン撮影の教科書】企業担当者が発注前に整理すべき5つの要件

 

「今度のプロモーション動画、屋外から室内をドローンを使ってインパクトのある映像にしてほしい」

 

上司やクライアントから急にそう言われ、困惑している企業の広報・マーケティング担当者様はいらっしゃいませんか?

 

特に、まるで鳥になったかのような視点で空間を駆け抜ける「FPVドローン(First Person View)」は、近年の映像トレンドですが、通常の空撮とは全く異なるノウハウが必要です。

  • 「何から準備すればいいかわからない」
  • 「法律違反や事故で会社に迷惑をかけたくない」
  • 「発注したものの、イメージと違う映像が納品された」

このような失敗を防ぐために、発注前に整理すべき情報は実は「5つ」だけです。

 

本記事では、FPVドローン撮影の依頼において、プロが推奨する「失敗しないための準備」を徹底解説します。これを読めば、専門知識がない状態からでも、制作会社と対等に渡り合い、リスクを回避した発注が可能になります。

 

FPVマイクロドローン
FPVドローン撮影に重要なこと

 

結論:この5つが決まっていれば失敗しない

FPVドローン撮影の依頼でトラブルになる原因の約9割は、「事前の共有不足」か「法的な確認漏れ」です。以下の5つを整理しておくことで、見積もりの精度が上がり、撮影当日の進行もスムーズになります。

 

  1. 【目的】:誰に、何を伝え、どう行動させたいか(認知拡大、採用、施設紹介など)
  2. 【価値】:被写体の「何」を見せたいのか(広さ、スピード、導線、臨場感)
  3. 【演出】:どのような動きやトーンを求めているか(ワンカット風、スピード感、没入感)
  4. 【安全・許可】:撮影場所の環境と法的条件(屋内・屋外、人口集中地区、電波法)
  5. 【納品仕様】:編集の有無、解像度、フレームレート(SNS用、Web用、TVCM用)

これらが未定でも、「未定であること」を伝えればプロがヒアリングで引き出してくれますが、事前に思考を巡らせておくだけでプロジェクトの質は格段に向上します。一つずつ深掘りしていきましょう。

 

MAVIC撮影
撮影より先に目的が重要

 

目的(Purpose):映像の使用用途とゴールの明確化

「とりあえずドローンでかっこよく」は危険なオーダーです。FPVドローンは手段であり、目的ではありません。映像を通じて達成したいKPI(重要業績評価指標)をイメージしましょう。

 

主な活用シーンと目的の例

  • オフィス・工場紹介(採用・広報)
    • 目的: 求職者に対して「働くイメージ」を持ってもらう。
    • FPVの効果: エントランスから執務室、会議室へと人の目線で移動することで、写真では伝わらない「空間のつながり」や「社内の雰囲気」を擬似体験させることができます。
  • 観光地・施設PR(集客・認知)
    • 目的: 潜在顧客に行きたくなるような「没入感」を与える。
    • FPVの効果: アトラクションのようなスピード感で施設内を飛び回ることで、視聴者の視聴維持率(リテンション)を高め、最後まで動画を見てもらえる可能性が約数倍に高まるとも言われています。
  • 建設・不動産記録(進捗管理・販売)
    • 目的: 顧客に対して圧倒的な「スケール感」と「立地」を証明する。
    • FPVの効果: 建物の外観から窓を通り抜けて室内に入るなど、シームレスな映像表現により、物件の魅力を短時間で直感的に伝えます。

 

💡 ここでのポイント 「SNS(Instagram/TikTok)で拡散させたい」のか、「自社サイトでじっくり見せたい」のかによって、撮影する尺(長さ)や構成が根本的に変わります。

 

3. 見せたい価値(Value):被写体の強みを分解する

FPVドローンは「狭い場所を通り抜ける」「急降下する」「被写体に接近する」ことが得意ですが、全てのシーンに適しているわけではありません。見せたい価値とFPVの特性がマッチしているかを確認しましょう。

 

21世紀美術館
ゆっくりとした空間をみせる事例

FPVが活きる「価値」の例

  • 「導線」を見せたい場合
    • 駅から店舗までのルートや、工場の製造ラインの流れなど、「順序」や「つながり」が重要な場合、FPVの一筆書きのような動きは最適です。
  • 「臨場感・スピード」を見せたい場合
    • モータースポーツ、ランニング、自転車など、動いている被写体と並走(チェイス)することで、通常のカメラでは撮れない迫力ある映像になります。
  • 「構造・スケール」を見せたい場合
    • 吹き抜けのある建築物や、複雑な配管が並ぶプラントなど、人間の立ち入れない高所や隙間に入り込むことで、施設の技術力や規模感を表現できます。

 

⚠️ 注意点 静止画のような「高精細で安定した風景」を撮りたい場合は、FPVではなく、Mavicシリーズなどの一般的な「空撮用ドローン」の方が適している場合があります。無理にFPVを使う必要はありません。

 

撮り方の方向性(Direction):演出イメージの言語化

「かっこよく」という言葉は主観的すぎます。具体的なキーワードや参考動画(リファレンス)を用意すると、パイロットとの認識ズレを防げます。

 

代表的なFPVの演出パターン

  1. ワンカット風(One-Shot / Fly-Through)
    • 特徴: 映像を切らずに、入口から出口まで一気に飛び抜けるスタイル。
    • メリット: 空間の全体像が把握しやすく、視聴者に強い没入感を与えます。
    • 難易度: パイロットの技術だけでなく、撮影時の人の配置や電波環境の整備など、高度な現場統制が必要です。
  2. ダイブ&アクロバット(Dive & Freestyle)
    • 特徴: ビルの屋上から地面へ急降下したり、被写体の周りを回転したりするスタイル。
    • メリット: インパクトが強く、冒頭のアイキャッチ(掴み)として非常に有効です。
  3. マイクロドローンによる近接撮影(Cinewhoop)
    • 特徴: 手のひらサイズの小型ドローン(プロペラガード付き)を使用し、人や商品に約数十センチまで接近するスタイル。
    • メリット: 屋内や人の近くでも比較的安全に撮影でき、独特の浮遊感を演出できます。

 

💡 ここでのポイント YouTubeやVimeoなどで「FPV Factory Tour」「FPV Real Estate」などのキーワードで検索し、「これに近いイメージ」という動画を1つ見つけておくだけで、依頼コストが下がる可能性があります。

 

安全と許可(Safety & Compliance):企業が守るべきコンプライアンス

ここが最も重要です。企業案件としてドローン撮影を行う場合、コンプライアンス違反はブランド毀損に直結します。 FPVドローンは特殊な無線を利用する場合が多く、一般的なドローンよりも法規制が複雑です。以下のキーワードを理解している業者を選ぶ必要があります。

 

必須確認事項(ファクトチェック)

  1. 航空法(Civil Aeronautics Act)
    • 特定飛行: 人口集中地区(DID)の上空、夜間、目視外飛行(FPVはゴーグルをつけるため基本的に目視外飛行になります)、人や物件から30m未満の距離での飛行などは、国土交通省への許可・承認が必要です。
    • 機体登録: 100g以上の機体はすべて国土交通省への登録と、リモートID機器の搭載が義務付けられています。
  2. 電波法(Radio Law)
    • 5.7GHz帯 / 5.8GHz帯: FPVドローンの映像伝送には、遅延の少ない5GHz帯の周波数がよく使われます。
    • 業務利用の必須要件: 業務としてこの帯域を使用する場合、パイロットは「第三級陸上特殊無線技士」以上の資格が必要であり、かつ使用するドローン(送信機)の「無線局開局」手続きが完了している必要があります。アマチュア無線技士の資格では、業務(営利目的)の撮影は行えません。これは非常に多い違反例ですので、発注時に**「業務用の無線局免許状を持っていますか?」**と必ず確認してください。
  3. 賠償責任保険
    • 万が一の事故に備え、対人・対物賠償責任保険に加入している事業者であることを確認しましょう。

 

電波の使用イメージ
電波の使用

 

屋内撮影の特例

屋内(四方を壁やネットで囲まれた場所)での飛行は、航空法の適用外となる場合がありますが、電波法は適用されます。また、施設の管理者権限による許可は必須です。

詳細は国土交通省のHPを確認して見てください。

 

6. 納品物の仕様(Deliverables):後工程を考えたスペック

撮影データの「形式」を間違えると、後の編集作業で使えない、画質が荒いといった問題が発生します。

  • 解像度(Resolution):
    • 通常は4K(3840×2160)またはFHD(1920×1080)。
    • SNSリール動画用なら、縦型クロップ(切り抜き)を想定して、広めの画角で4K撮影を行うのが推奨されます。
  • フレームレート(Frame Rate):
    • 通常は30fpsまたは60fps。
    • スローモーション演出を入れたい場合は、60fps〜120fpsで撮影する必要があります。
  • カラー設定(Color Profile):
    • 通常(Rec.709): 撮って出しですぐ使える色味。
    • LOG / 10bit: 後から色編集(カラーグレーディング)を行うための、眠たい色味のデータ。プロの制作フローではこちらが一般的です。
  • 補正の有無:
    • FPVドローンの生データは大きく揺れています。「ReelSteady」や「Gyroflow」といった専用ソフトでスタビライズ(手ブレ補正)処理をした後のデータを納品してもらうのか、生データが必要なのかを確認しましょう。

 

実際の編集画面
実際のドローンの編集画面

 

依頼文テンプレート(そのまま使えるコピー用)

制作会社への問い合わせ時に、以下のテンプレートを埋めて送るだけで、コミュニケーションコストが約半分に削減できます。

 

【件名】FPVドローン撮影の見積もり依頼(〇〇株式会社)

【概要】
1. 目的・用途:
   (例:新工場の紹介動画をWebサイトに掲載し、採用活動に利用したい)

2. 撮影対象・場所:
   (例:〇〇県〇〇市の自社工場内。広さは約〇〇坪。住所:〜)
   ※屋内・屋外の区別:屋内メイン

3. 撮影イメージ・希望の尺:
   (例:入口から製造ラインを通り抜けるワンカット風映像。約60秒程度)
   ※参考動画URLがあれば添付

4. 撮影希望時期:
   (例:202X年〇月〇日〜〇日の間。土日稼働の可否:可)

5. 納品形式:
   (例:4K 60fps、手ブレ補正済みデータのみ納品。編集は不要)

6. 予算感:
   (例:約〇〇万円〜〇〇万円程度)

7. その他確認事項:
   ・事前のロケハン(現地調査)は可能でしょうか?

 

費用感についての補足(目安)

FPVドローン撮影の費用は、決して安くはありません。パイロットの技術料、特殊機材の減価償却、リスク管理費が含まれるためです。

  • 都内近郊・半日撮影(ワンマン): 一般的な相場として、約10万円〜30万円程度からスタートする場合が多いです。
  • 地方出張・大規模撮影(チーム体制): ディレクター、安全監視員(補助者)、パイロットのチーム体制になると、数十万円〜といった規模感になります。
  • ロケハン費用: FPVは電波状況や飛行ルートの確認が命です。本番とは別に、事前のロケハン費用(数万円〜+交通費)を見積もっておくことを強く推奨します。

※上記はあくまで市場の一般的な傾向であり、パイロットや撮影難易度により変動します。

 

 

この5つが未定でも大丈夫です。「無料ヒアリング」へ

ここまで読んで、「決めることが多くて大変そうだ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。

今回ご紹介した 「目的」「価値」「演出」「安全」「仕様」 の5つは、現時点ですべて完璧に決まっている必要はありません。 これらは、プロの制作会社がヒアリングを通じて、お客様と一緒に整理していくべき項目でもあります。

最も重要なのは、「わからないまま発注して、後でトラブルになること」を避けることです。

「まだぼんやりしているけれど、まずは相談してみたい」 「うちの工場で飛ばせるのか、法律的にチェックしてほしい」

そう思われた方は、まずは専門家の「無料ヒアリング」をご利用ください。貴社の課題を整理し、安全で効果的なFPV撮影プランをご提案します。

 

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この記事を書いた人
yusei kobayashi

FPVドローンを用いたマイクロドローン撮影から、映画・CMクラスの空撮まで幅広く対応。
特に技術的難易度の高い(海上、屋内、夜間)での撮影やカスタマイズした照明を積んだドローンでの撮影を得意としています。

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